国際基準と日本のカイロプラクティック教育
 2001年10月21日(日)、日本カイロプラクティック協同組合連合会(JFCP)の主催で、第1回JFCP国際シンポジウムが開催されました。テーマは「国際基準と日本のカイロプラクティック教育」、WFC元会長Dr.ジョンA.スウィニーと、SCUHS(サザンカリフォルニア大学ヘルスサイエンス)副学長Dr.アランH.アダムスを迎えた、日本のカイロプラクティック教育基準について考えるシンポジウムとなりました。
 開会にあたり岸田和美JFCP理事長は2001年パリでのWFC世界大会に出席しての感想を述べたあと、「この国際シンポジウムが日本のカイロプラクティック教育を国際基準に近づけ実現していく道標となり、カイロプラクティック事業を通じ地域に貢献するカイロプラクターの役立つものになることを願います。」と挨拶した。
 講演は元WFC会長のジョン・A・スウィニー博士、SCUHS副学長のアラン・H・アダムス博士、聖マリアンナ医科大学の吉田勝美医学博士、山田外科医院副院長の山田眞人医学博士の4名。世界的に著名なスウィニー博士とアダムス博士の講演は日本のカイロプラクティック教育の関心事である「国際基準」を明確に示した歴史的な講演となった。
■日時
平成13年10月21日(日)
開演13:30 〜 終演16:30
■会場
神戸新聞 松方ホール
神戸市中央区東川崎町1-5-7
■参加資格
日本国内においてカイロプラクティックを職業としている事業者、カイロプラクティックに関する学校に在籍している学生及び入学を考えている方、代替・補完医療に携わっている方、その他、興味のある方
■参加費
組合員10,000円
学生12,000円
非組合員15,000円
第1部 特別講演
Dr.John A.Sweaney(ジョン A.スウィニー博士)
■プロフィール
1968年、カナダ・カイロプラクティック大学を優等で卒業され、過去33年間に渡り熱心に臨床業務に携って来られました。その間、WFC設立者の1人としてWFC発展に寄与され、1997年のWFC世界大会(東京)では、WFC会長として来日されています。現在ACCEの教育コンサルタントとして多くの国々でご活躍されています。
■講演内容
「カイロプラクティックの公式認定と日本のカイロプラクティックの発展における意義」
  1. Accreditation(正式な承認)とは何か。
  2. オーストラリア・アジア地域カイロプラクティック審議会(ACCE)とは何か。
  3. 国際カイロプラクティック教育審議会とは何か。
  4. アジア地域全体と、特に日本においてAccreditationはこれからどうなるのか。
  5. 特に、Accreditationを申請する団体が公表する教育基準文書の原則部分はどのようなことか。
  6. Accreditationは、一般の学生、大学レベルの教育機関そして主に日本のカイロプラクティックにどのような影響を与えるのか。
Dr.Alan H.Adams(アラン H.アダムス博士)
■プロフィール
現在、サザンカリフォルニア大学ヘルスサイエンスの副学長であり、医学技術、人間生物学とカイロプラクティック、栄養学、そして医学教育の学位を得られています。そして健康専門教育並びに(公共)医療サービスの調査研究に強い意欲を持ち取り組んでおられます。
■講演内容
JFCP/SCUHS標準化プログラムについて
 日本で教育を受けた開業者のための共同教育プログラムの開発は、日本における国際基準に則った訓練と安全な業務を確立するための有効なアプローチとして、世界中のカイロプラクティック団体からの関心を集めています。
 この発表ではプログラム開発の過程と内容に触れ、また標準化プログラムのための適正、カリキュラムの目標に関する説明を行ないます。
第2部 講演
Dr.吉田勝美
■プロフィール
1982年慶應義塾大学大学院医学研究科修了 医学博士。
1992年慶応義塾大学医学部 助教授。
1994年聖マリアンナ医科大学 教授(予防医学教室)
講演内容
「相補代替医療に求められるエビデンス」
カイロプラクティックが国民の健康負担を軽減する目的で定着したシステムになるためには、科学的な根拠を示すことでありエビデンスを重視することである。もうひとつは医療システムとしての質の向上にあると訴えた。
Dr.山田眞人
■プロフィール
1981年医師国家試験合格。岡山大学医学部第二外科教室入室。
広島市民病院、岡山赤十字病院で主として胸部外科医として勤務。
現在、山田外科副院長。
■講演内容
「カイロプラクティックと生活習慣病と健康との係わり」
近年増加している生活習慣病は、食事を含めた生活改善指導や運動療法、カイロプラクティック施術により、薬物療法への移行を予防できれば理想的だ。
そのためには、まず十分な問診と疾患の病態を十分理解することが必要である。講演を通じてその問診のコツと生活指導の方法について言及した。
(全ての講師のプロフィールは当時のものです。)